西ヨーロッパでは過剰生産(とくに酪農製品について)を心配しているし、アメリカ合衆国は生産調整のために休耕地を設けています。
穀物輸出国は補助金を与えて、まだ開拓が可能と見ている市場への売り込みをはかっています。
エコノミストに言わせれば、世界の食糧経済に関しては、分配問題はあったとしても生産問題は存在しないのです。
これに対し、エコロジストは、世界の食糧生産の相当部分が、まもなく放棄せざるを得ない浸食されやすい農地や、地下水の過剰な汲み上げに依存して生産されていると見ています。
したがって、いつまでもこういうやり方を続けることはできないし、見通しは決して明るいとは言えません。
生産可能な農地が限られ、水文学的サイクルによって与えられる淡水が限界に達し、地球物理学的プロセスによって生み出される土壌も頭打ちという状況の中で、世界の農業の産出高の伸びは次第に鈍化しはじめています。
わずかばかりの農地拡大はありますが、別のところで農地が非農業用地に転換されたり、劣化した農地が放棄されたりして相殺されています。
淡水資源が希少であるために、多くの農業地帯で穀物生産が限界にぶつかっています。